「六曜(むよう)」俳句会とは

六曜(むよう)俳句会は
旧「花曜」(鈴木六林男師主宰)の同人・会員が中心となって、
2005年4月に大阪で発足しました。

代表・出口善子、同人会長・玉石宗夫、創刊編集長・望月雅久。
二代・大城戸ハルミを経て現編集長・芝野和子。

句会で楽しく研鑽を積みながら、季刊「六曜」を発行しています。
主に現代仮名遣いを用い、新しい感覚と広い視野でのモチーフを扱っていきます。
メンバーは20代から80代までと幅広く、初心者も伸び伸び参加しています。


自然詠から無季俳句まで個性のある多様な俳句に挑戦中。

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六曜52号(2018.9.1)から

●六曜52号「自選集」共鳴句  出口善子 選 

梅雨空の郷へ続ける道と風      喜多より子
地球儀の国境薄れ雁帰る       佐藤富美子
筍ともらわれていく新聞紙       芝野 和子
だんじりが行く人間を従えて      玉石 宗夫
ヒマワリを十本植えて引き籠る    綿原 芳美
末成りのきゅうり梵字となりにけり  岩男  進
母の日の五右衛門風呂に濃き恥毛  岡本  匡
限り無く読点続く蝶の道         神田ししとう

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●52号「六曜集」共鳴句 出口善子 選

とりあえず胸を扇ぎし夏帽子       喜多より子
夏空を太陽の塔独り占め         絹笠 紀子
硝子越し津軽の歪む桜桃忌       桑代サダ子
ろくでなしばかり集めて花見かな    阪上 真吾
夕暮の母の貌なる花大根        佐藤富美子
永き日のマンドリンの音(ね)持ち帰る 芝野 和子
浮上して時空を吸ひし金魚かな     柴生  函
蛍の火消えつ灯りつかくれたる     田中 晴子
目覚めては生死確かむ蛍かな     谷  千重
暴れ川鎮め青草伸びてゆく       玉石 宗夫
もう君の詩なき雑誌ほたるの夜     永井美智子
梅雨入るや十六骨の傘通る       成山 幸子
青芝の禿げたるほどの死闘果つ    羽賀 一惠
かご盛りの枇杷や離島の風まとい   花輪 朋子
地下街に潜り迷いし半夏生        安井 博子
鵜が潜り成果はこれよと淀を吐く    山内  一
蝉時雨女の肌の乾くこと         山田  遊
蜘蛛の囲や昨日払ひたる場所に    山本 紀子
虫干やパンドラの匣封印す       横山 崩月
友人を並べピントは赤い薔薇      鷲尾規佐子
貧しくて家族仲良し枇杷実る      有田 美香
昆布干すヒグマの親子通る浜     梅村眞佐子
荒梅雨へ罵詈雑言を放り込み     岡本  匡
産土の性(さが)紫陽花の色に出づ  神田ししとう

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六曜48号(2017.9.10)から

●48号「自選集」共鳴句  出口善子選

生きざまは一皮むきし夏蜜柑     綿原 芳美
朝焼けをポケットに詰め旅に出る   岩男  進
噴水の放物線へ理系女の目      岡本  匡
夕立晴生命あるもの濡れ残る     神田ししとう
じりじりと戦前回帰なめくじり      喜多より子
豌豆の莢に弾ける母の声        佐藤富美子
這い這いの子を戻す役花筵      芝野 和子
チアガール大の字に跳ね夏来る   玉石 宗夫
夏風邪や悪寒とともに共謀罪     望月 至高

●48号「六曜集」共鳴句  出口善子選

峡谷の鉄路を鳴らし紅芙蓉       岩男  進
青嵐や黄金の鴟跳ね上がる      梅村眞佐子
のっそりと暖簾を分けて蟇        岡本  匡
捕虫網幼なの頃の空掬う        神田ししとう
太陽をなみなみと容れ江戸切子    喜多より子
夏始め漱石猫は塀の上          絹笠 紀子
仁王像の口封じたる女郎蜘蛛     桑代サダ子
赤子泣く慣れぬ地上の肺呼吸      佐藤富美子
梅雨明けの観覧車から見る右翼    芝野 和子
無人駅客をもてなすカンナの緋     田中 晴子
菖蒲湯にどっぷり浸るお腹の子     谷  千重
鯉幟人間社会に繋がれて        玉石 宗夫
父の日や名義を変ふる書類積み   永井美智子
山に来て山静かなり西行忌        成山 幸子
箱舟に乗り合わせたり梅雨最中    羽賀 一惠
ネイル塗りたての無防備聖五月    花輪 朋子
愛憎の嵩や沼地の花筏         望月 至高
一歩から霊気掠める山開         安井 博子
地上絵をセスナの窓に張り付かせ   山内  一
短夜は御墓の場所を決める時     山田  遊
時の日の動く歩道をあと戻る      横山 崩月
どこまでも立山の氷壁どこまでも    鷲尾規佐子
地に満たす同心円や大夕立       有田 美香
手拭いを絞るちからで今日終わる   石川日出子

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 「仄赤し」    出口 善子

 

 仄赤し     出口 善子

 

 

 

胸郭に潮ひたひた春立つ乎

 

蹠の硬し踏絵の国の裔

 

終活の憂いを添えて針供養

 

男臭聚めて山の焼けはじむ

 

躓いて掌紋採らる焼野原

 

歩めるは罪か吠えられ冴え返る

 

早熟な猫が声もて闇さぐる

 

赤き肉叩き炙れり虐殺忌

 

仄紅しほうれん草とわが余命

 

空耳へ靴音帰り来る余寒

 

溺れたる文字の大河菜の花忌

 

明朝に瞼の軋む二月尽

   /角川「俳句」 2016年2月号掲載

 

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六曜42号(2016年3月)から 出口善子選

42号(2016.3)       出口善子選

【自選集】

逆光の中を痩せゆく銀杏の木     佐藤富美子
編み棒と朝刊のなき車内なる     芝野 和子
難民の舟の水脈曳く凍つる星     大道寺将司
布団干し五体の緩み叩き出す     玉石 宗夫  
力草誰にも負けぬ民意かな        〃    
ペットボトルの意思ある不沈時雨なか 望月 至高
空海のふところを発つ鰯雲       綿原 芳美
新牛蒡削ぐ放心の白さかな      池田喜代持
蓮掘りの胸まで隠すゴムの靴     岩男 進
監獄に消毒夫来る年の暮れ      大門 嗣二
黙々と道路の雪を庭に積む        〃
三日はや何か過ぎ去る埃かな    大城戸ハルミ
引き絞るかいな真白き弓始      岡本  匡
少しずつ右に傾く注連飾        神田ししとう
広大なマンション傾ぎ冬に入る    喜多より子
   

【六曜集】

息ひとつひとつに魂込め餅を搗く  池田喜代持
過去の事何も語らず山眠る      嶋﨑 深雪
人の来て言葉やわらか雑煮餅    喜多より子
着膨れる人生の旬縮めいて     玉石 宗夫
帰り花記憶上書きされており     綿原 芳美
静寂をびりりと破り初暦        花輪 朋子
いつか来る時は薄墨大根干す    桑代サダ子
血縁の薄き門灯石蕗の花       佐藤富美子
ワン切りの電話の時刻初日の出   富川 光枝
雪吊や百万石の匠の手        神田ししとう
梟の目つき静かに雪景色       山田 遊
如月や地形変はらぬ地図を貼り   永井美智子
露地ものと届いた酢だち不揃いなり 谷 千重
銃を持つ自由の悲劇冴え返る    田中 晴子
四方山をべらべらつつき鮟鱇鍋   羽賀 一惠
置き去りの手袋の指曲がりける   角本 美帆
雑踏の己も一人や十二月       成山 幸子
値札無きいびつなる皿文化祭    芝野 和子
頭に当たる餅拾い来て朝の椀    絹笠 紀子
音沙汰の途絶えしよりの隙間風   望月 至高
協調性なくて熱燗押し通す      岡本 匡
カレンダーめくれば雪の大正池   鷲尾規佐子
パン皿はちり紙二枚開戦日     石川日出子
十二月微熱もいのちの証かな    有田 美香

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六曜38号(15年3月)から  出口善子選

■38号(2015年3月)「自選集」共鳴句  出口善子選

おんおんと雲を吐きつつ山眠る    大城戸ハルミ
水餅や田舎は遐(とお)くなるばかり 岡本 匡
雪折れや生きる匂いを身の奥に    河村 勲
褞袍からふらり抜け出す「夜叉」の性(さが) 神田ししとう
二人いる時間短し熟柿かな      喜多より子
開戦日掘り起こされし土の色     芝野和子
汚されし海にうるめの群がりぬ    大道寺将司
布団干し今日のやる気を膨らます   玉石宗夫
秋空を鏡に入れてわれも入る     望月至高
枯蟷螂腹ひとところ枯れ残し     綿原芳美
一椀の湯気の大盛り大根焚      池田喜代持
毛糸玉捲かれし時の長さかな     岩男 進

■38号(2015年3月)「六曜集」共鳴句 出口善子選

初投句ハガキの指紋消してから  池田喜代持
色鳥の音なく去りて砂光る    花輪朋子
水鳥の留守の水辺を足早に      〃
足袋脱いで骨さらけだす窓の下  山田 遊
街中をさまよう人に冬の雨      〃
急ぎ旅ブーツの紐に遊ばれる   喜多より子
山装う汚れし鴉迎え入れ     玉石宗夫
冬帽子記憶剥がれるとき真っ赤  綿原芳美
食パンの四辺の乾き開戦日    佐藤富美子
ちゃんちゃんこ仕上がる頃は丈足らず 谷千重
初空や鳶の描きし風の形     神田ししとう
穴惑い国境越えを躊躇わず      〃
風禍後の木犀白し咲き続く    石川日出子
しんしんとただしんしんと積もりゆき 角本 美帆
小春日や母のはらわた切り取られ  永井美智子
ふるさとの山は小さし熊眠る     〃
目を逸らすたび柊の花匂う    河村 勲
夕焼けの階段下のラブソング   鷲尾規佐子
ななかまど燃えれば尖る槍ヶ岳    〃
爪を切り明日を揃える夜長かな  羽賀 一惠
ともかくも間を埋めゆくや食積みや  〃
おでん酒途切れ途切れの昨日かな 岡本 匡
遠国の母訪ね来し骨正月       〃
瀬戸の牡蠣海の底より平和の香  田中晴子
小鳥来る異国の雲の匂いかな   芝野和子
マフラーの昨日の悔いと出勤す    〃
欄干を越えて嵯峨菊並びおり   絹笠紀子
振り返る道まっすぐや柿日和   成山幸子
普段着で見入る歌会始かな    富川光枝
寒月光復興というコンクリート  望月至高
千年を飲み込む密林アンコールワット 吉村由美子
人去って木の根が寺の主となる      〃

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  「素顔」  出口善子

 素顔        出口 善子

脱稿の吐息にとどき初明り 
用済みの両腕を垂れ寝正月
乳房萎え初湯の嵩を増やさざる
初鏡古びし顔に見詰められ
隠れ居の素顔で通す三が日
羊日の長蛇の列の殿に
産土の神に授かる武器・破魔矢
セーラーの胸の前なる孕み箸
靴よりも北風が先んじ自動ドア
粥草やはこべら多き地下売場
初でんわ生前葬を告げ来たる
約束はふいオリオンに脚が無い

     /角川「俳句」2015年1月号掲載 

 

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「晩節」 出口善子

 

  晩節            出口 善子

 秋冷を足し雑穀の水加減

 冬瓜を煮透かせ有態には言わず

 だしぬけに尖る保護色茄子の蔕

 擽られこぼれた本音ねこじゃらし

 志失せたる背(せな)の草虱

 男結びの弛ぶ松陰嚢(まつかさ)蹴るたびに

 指と舌あと何汚す黒葡萄

 晩節を守り障子貼る二、三枠

 死者のほか頒つ当てなし零余子飯

 通分のあと行き詰まる夜を学び

 引導のリズムとなりし鉦叩

 六林男の近づく枳殻棘だらけ

      角川「俳句」二〇一二年十一月号掲載

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「 私 史 」 出口善子

 私 史         出口 善子

 ゆっくりと景を巻き上げ牡丹雪

 啓蟄の地下や人類蠢きて

 紙が切る晩学の指冴え返る

 大試験まず背骨を垂直に

 重からぬ私史の足跡下萌ゆる

 銃声の消えし野面を這う霞

 陽炎える大地の予後をなだらめて

 「俳句αあるふぁ」二〇一三年二・三月号掲載

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句会のご案内(大阪・神戸) 土曜日開催です

■六曜の句会 

どなたでも参加できます。
原則として雑詠5句を持参ください。
初めての方にも句会形式で楽しく指導します。
月3回おこなっています。
    

よみうり文化センター神戸校

  第1土曜 午後1時~3時
    JR・阪神元町駅から南へ徒歩5分
    神戸市中央区栄町通1-2-10
    読売神戸ビル7階 
地図を見る
    TEL 078-392-3290
    3ヵ月会費 4860円 
(税込み・別途センター維持費)

【四天王寺句会】

     
    午後2時~4時半 出口代表宅にて 
      

   大阪地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ケ丘」から徒歩8分
  
 または近鉄「大阪上本町」駅から徒歩10分
       大阪市バス「上本町8丁目」前

    

   会費1000円 
   
 


【大阪聖パウロ教会】

 通常は
 第3土曜午後2時~4時半
   JR大阪・地下鉄梅田駅から徒歩7分
   阪急梅田茶屋町出口から徒歩3分
   大阪市北区茶屋町2-30 
地図を見る
   会費:1000円

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出口善子句集『羽化』

出口善子代表の句集『羽化』が、
2010年8月1日、角川書店から刊行されました。
2005年から2009年の句を厳選した第6句集です。

「前歴」「万骨」「引力」「人語」
「自由」「糸口」「鈍色」「追伸」の8部で構成。

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【自選12句】

              

空港に女の羽化のはじまれり

饒舌のイヤリング夏乱反射

更衣腕のさびしさ身におよび

万骨の一片として夏痩せて

月全し狼にもなってみよ

切っ先をライバルに向け林檎剥く

闇のすそ蠢き恋の猫となる

男らが乳母車押し昭和の日

オカリナに息を費やし少女の秋

問う度に椅子のぐらつき目借時

夕焼ける男一人を土に還し

切り分けし聖菓の傾ぐ反抗期 

          

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